食品だから絶対安全ではないことは、お塩やお醤油の致死量を例にしましたが、普段の食事の量で急に障害を起こすことはまず考えられません。しかし、高血圧や血圧が高めの方は塩分に注意するように、長期間に渡って食べ続けたり、量が多かったりすると健康に影響が出てくることがあります。そのような場合に安全性や健康効果あるいは逆に発病の心配を調べるのに疫学調査が行われます。お米を食べている日本人にとって、米を基本とする食品は第一に安全で安心な食材だと言えます。
一部のアガリクス製品の発がん性が問題になった時に、安全かどうかを証明しにくいのは食経験が無いからです。食品として食べていないアガリクス、メシマコブなどのキノコ由来βグルカン製品は原料段階で疑問符がつきます。1袋1グラム強の発酵古代米は玄米1グラムと同じ量と考えられるので、5袋たべても玄米5グラム程度しかないので安全だと言えます。
βグルカンに注目して、パン酵母の細胞壁から取り出した製品があります。だいたい500ミリグラムのカプセルが60粒で25~55ドルで販売されています。βグルカンが日本で言われているようにがんに有効であれば、この金額ならばがんが治っている人が沢山いて、国によっては医薬品になっていたり、がん患者への推薦製品となっていて不思議ではないと思います。日本円で五千円以下の価値の健康食品という評価が、βグルカンに対する市場の評価だと言えるのではないかと思います。欧米でも抗がん剤の価格は月数千円ではありません。
漢方で使われるキノコ類をきちんとした処方と飲み方で摂取して、医師や専門家に状態をみていただきながらであれば、βグルカンではない有効成分がはっきり分からなくとも安心できます。
納豆や玄米など健康に良いという伝承・知恵のある食品から、科学的な分析で健康に良い成分が分かったものがあります。江戸・明治時代は死の病だった脚気は玄米なら含まれていたビタミンB不足が原因でしたし、ナットーキナーゼが血栓を防いで血管の健康に良い成分だと分かったのも科学のチカラです。キノコ由来の健康食品ではアガリクスのβグルカン以外の低分子の成分が調べられていたり、培養培地由来の変性リグニンなどが研究されています。
同じように研究されてきた結果、米ぬかの食物繊維ヘミセルロース由来の低分子米ぬかアラビノキシラン誘導体は、「βグルカンががんに効く」という都市伝説のレベルではなく、分子量3千~5千ダルトン程度の成分だと分かっています。玄米が身体に良いということを新しく科学的に研究した成果だと思います。